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『おはよう、マイハニー』
「キャーッ!タクヤくん萌えー、神ー!」
あの失恋直後、私は乙女ゲーム(女性向け恋愛シュミレーションゲーム)にはまっていた。
ちなみに、タクヤくんとはゲームのキャラクター。
小さい時から、ゲームとかアニメとかマンガは好きだったけど、前に比べたら度が過ぎている。
"オタク"という言葉に、最初は抵抗があったけど、認めてしまえば案外気楽なもんだ。
それに、ゲームの中のかっこいい男の子達は私を絶対に裏切らないし、欲しい言葉をいつもくれる。
「千春、変なこと言ってないで早くご飯食べなさい」
「ハイハイ、食べます」
朝早起きして、タクヤくんのステキボイスをきく。
これが私の最近の日課。
「ふぁ~」
「あんた、また夜遅くまでゲームやってたんでしょ」
あくびをするとお母さんが小言を言ってくる。
図星だから何も言い返せないけど。
「今日から二年生なんだから、ビシッとしなきゃダメよ。ビシッとしなくちゃ」
「分かってまーす」
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