1st☆stage

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『おはよう、マイハニー』 「キャーッ!タクヤくん萌えー、神ー!」 あの失恋直後、私は乙女ゲーム(女性向け恋愛シュミレーションゲーム)にはまっていた。 ちなみに、タクヤくんとはゲームのキャラクター。 小さい時から、ゲームとかアニメとかマンガは好きだったけど、前に比べたら度が過ぎている。 "オタク"という言葉に、最初は抵抗があったけど、認めてしまえば案外気楽なもんだ。 それに、ゲームの中のかっこいい男の子達は私を絶対に裏切らないし、欲しい言葉をいつもくれる。 「千春、変なこと言ってないで早くご飯食べなさい」 「ハイハイ、食べます」 朝早起きして、タクヤくんのステキボイスをきく。 これが私の最近の日課。 「ふぁ~」 「あんた、また夜遅くまでゲームやってたんでしょ」 あくびをするとお母さんが小言を言ってくる。 図星だから何も言い返せないけど。 「今日から二年生なんだから、ビシッとしなきゃダメよ。ビシッとしなくちゃ」 「分かってまーす」
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