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キッチンで手を動かしながら美咲が突然声を上げた。
「あっ!!!!」
声がでけーのはいつものこと。
…もう、驚かなくなった。
「何だよ?」
「…欲しいもの、あった。」
「何だよ?」
「圧力鍋。」
「はあ?鍋!?」
「うん。圧力鍋ってすごいんだよ!カレーとかシチューとか、すっごく少ない時間で出来ちゃうんだから!それが欲しい!」
「…って、お前さ、おばちゃんじゃないんだからもっと他にあるだろ?」
「ない。それがいい!!」
「…マジか?」
「マジ!!」
…どうやら、本気らしい。
「ね、圧力鍋プレゼントしてくれたら、それでイヴは肉じゃがでも作って、ほっこり過ごそ!」
美咲の笑顔は…心底それを欲しがってて、そのほっこりとしたイヴを過ごしたいんだって俺を納得させる力があった。
「わかった。」
短い俺の返事に、両手を上げるほど喜んでいた。
…たく、コイツは本当にそこら辺の女とは全然違う。
予測不可能で…
可愛い女。
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