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それからしばらくして鍋から蒸気が上がると、美咲が騒ぐ。
「キャー!来たよ!!来た!シューシューいってる!!」
「それが圧力鍋だろ。」
「あ、火加減!あ、時間計らなきゃ!」
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「火を止める。」
美咲はIHのスイッチを切り、大きな何かをやり遂げたように、リビングに座りこんだ。
「…大袈裟(オオゲサ)だな。」
「つ、疲れた…。」
「…後は蓋を開けてみてだな。」
「…うん。」
美咲はしばらくして、いつものサラダと味噌汁を作りに立った。
そして、それが出来上がる頃、俺をキッチンに呼んだ。
「…フタ、開けるね。」
美咲は恐る恐るその重厚な蓋を鍋から外した。
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