親父とはかくも大きいものか

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………――― 「ガチャッ」とドアが開くのを確認した俺は、ドアが開ききる前に食い気味のタイミングで声を出した。 「ただいま!!父ちゃん!!!」 ドアを開けた主、俺の大好きな親父はびっくりした顔の後、微笑みながら口を開いた。 「おいおい、『ただいま』は俺の台詞だろ?フィオ。」 当時から減らず口の俺は即座にこう言い返したんだ。 「だって俺が父ちゃんのとこに走って行ったんだもん、俺からすれば『ただいま』なの!!」 今思うとよく分からない屁理屈だと自分でも苦笑してしまうくらいだが、親父はそんな屁理屈でもしっかり受け止めてくれた。 「なるほど、確かにフィオの言うとおりだ!!お帰りフィオ!!」 こうやって子供の屁理屈にも付き合ってくれる。しかも嫌々という感じを全く感じさせないで。 親父が帰ってきたら、家族3人で今日あったことを肴に夕食を取る。たいしたことではないけれど、当時はそれが何よりの楽しみだった。
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