親父とはかくも大きいものか

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「………そしたらさ~、スレンのやつが『お前なんかキライなんだよ!!』って言うんだよ!!俺も頭にきたからさ~、『俺もスレンがキライだー!!』って言い返したんだ!!」 興奮しながらその日あったことを話す俺。今思えばガキ丸出し。確かに当時スレンとはケンカ以外したことなくて、まさしく『犬猿の仲』という感じがぴったりだったけど。 そんな興奮しながら話す俺を見ながら親父は口の下を掻いた 『しまった…』それを見た瞬間俺は一気に借りてきた猫みたいに縮こまってしまった。 『口の下を掻く』これは親父が思ったことを言う時の癖。しかも必ず反論の時しかやらない。 家族で話しをするのは楽しくて大好きだけど、その時の親父だけは苦手…というか恐い。 何故かって?反論出来ない上に妙に納得させられてしまうから。減らず口の俺はそれがどうにもキツかった。 「フィオ…お前はスレンと仲良くなりたいとは思うのか?」 スレンは近所だし、歳も同じだから仲良くなれるならなりたい。でもどうにもケンカになってしまう。向こうがすぐ突っかかってくるのがいけないと俺は言う。 過去に行けるなら、その時の俺の口を塞ぎたい。
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