親父とはかくも大きいものか

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兵士としてレイバーン軍に所属していた親父とスレンの父親は緊張関係が始まった半年前から段々と家に帰ってこないことが増えてきた。 軍の兵士なんだから当たり前だ。平常時では帰宅が自由に出来るうちの国も流石に戦争時はそんな呑気なことはしてられない。 そしてついに両軍が激突した。もちろん俺達の親父達も兵士なのだから最前線でそこに参加していた。 1日、また1日と日を追う毎に不利になっていく自国を目にしながら、国よりもただ俺達は自分の家族と共に、親父の帰りを心から祈っていた。 3ヶ月後…戦争はリヴィアル王国の勝利という結末で幕を降ろした。王都を含め4つの領土を有していた。レイバーン王国は3つの領土を失なうも何とか王都に戦火が及ぶことを防いだ。 正確には手薄になったリヴィアル王国の領土を世界地図の最東端に位置するエンペルディア王国が狙っているという噂がたったからである。 やがて噂が真実味を帯びたため、リヴィアル王国は軍を反転し、自国の防備を固めた。 命拾いしたレイバーン。この戦争でスレンの父親は左手と右足が不自由な身体となり、兵職を辞した。 親父は……… ………帰らなかった
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