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「敵迎撃部隊接近」
先頭を進むアルファから通信が入った。
「迎撃部隊は味方に任せて、俺たちは迂回して進むぞ」
「了解」
浅田大尉の言葉に答え、進路を変える。
脚部の推進剤が僅かに減り、機内に表示される燃料の数値も共に減った。
「交戦!ブレイク!」
今度はブラボーから。味方の青い光点と敵の赤い光点が同時に左右に広がり、ミサイルを吐き出す。
レーダー上に無数の光点が現れ、入り乱れ、消える。それは当然、敵も、味方も。
ドライな思考が感傷的な感情を脳の隅に追いやり、目の前の作戦に集中する。
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