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「うん、ありがとう」 そう答えるのが精一杯だった。 彼女の振る舞いはまさに改心の一撃。 それからというもの、僕は変わった。旅立つ彼女の背中を忘れないため、必死に努力した。 気持ちだけでも隣に並んでいたい。そう思い、教会の仕事を手伝い、彼女の代わりを務めた。 ある日の昼下がりのこと、僕は彼女からもらった紙の魔方陣を眺めていた。 そこには僕と彼女の名前が合って、少し嬉しく、切ない。 仕事に戻ろうと思い立ち上がりかけた時、突然魔方陣が光り始めた。 そして紙は激しく燃え上がり、あたりに煙が立ち込める。 あわててドアを開けて煙を外に追い出し、部屋の中に目を戻すと、そこには彼女が立っていた。 「ここは?」 お互いに茫然としていたが、先に回復したのは僕だった。 涙をこらえて笑顔を浮かべてみせた。 「おかえりなさい」
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