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「ねえ?」
「ん~?」
気だるそうに返事する俺は再び窓に顔を向けていた。
「アタシのこと…好きだった?」
「はあ?」
また祐希の方を向いてしまう。
イシシシと笑う祐希の顔が少しカチンとくる。
「ありえねーし!幼馴染みだろうがただの!」
「あ、ウソついた」
!?
バレてる……
なぜだか昔から祐希にはウソが通用しない……
「ねえ?好きだった?」
首を傾けてクリッとした眼で俺を見つめる祐希……
正直……萌え死ぬところだったが懸命に顔には出さないようにした。
「あ。またウソつこうと必死になってる」
「なっておらん!」
「怒鳴ることないじゃない……昔から都合悪くなると大声出すんだから……」
まったく……と呆れ顔で、正面を向く祐希……
俺から視線が外れてくれて正直ホッとした。
祐希に見つめられると、どこまでも俺の心の中を読まれそうで……
「ねえ?」
「あ~?」
また窓に顔を向けて返す……
「覚えてる?昔二人で電車に乗ってさ……映画観に行ったよね?」
「あ……あったな~そんなこと……」
確か……
AIだったっけ?
未来のピノキオみたいな話……としか覚えてないが、映画が終わった後の祐希はよく覚えている。
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