深夜25時の汽笛

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「あんな映画でさ~すげぇ泣いたんだよな~お前」 「あれの良さが解らぬのか?相変わらず感受性足りない男ね~」 まだ中学生だった二人…… 互いの親からお小遣いを貰い、初めて観に行った映画…… 映画の内容よりも、祐希がこんなことで泣くんだ…… て、ことに感動したんだ…… 初めて観に行った映画で…… 初めて幼馴染みだった女の子から、好きな女子に変化したんだった…… 「あ~、今、あの頃の祐希は可愛いかったな~と思い出していたな?」 ドキッ!! なんで本当にコイツは俺が思ってること解るんだ? 「そっか~祐希様を好きになったのは映画を観に行ったのがキッカケか~」 なるほど、なるほど、と、一人で納得している祐希を見る。 「あのな~」 「私のこと好きなのは解ったけど、AI観て泣かない男はね~」 「あのな!」 「ま、映画観て泣くような弱虫はもっと嫌いだけど」 「どないせえちゅーんじゃ!!」 俺のツッコミにクスクス笑う祐希……
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