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ボーーーーーー!!
「なんだ?この音……」
「汽笛よ」
「汽笛……て、本当に汽車なのか?これ」
「そう言ったじゃない……さ、そろそろ君が降りる駅よ」
「え?」
ガタン……ゴトン……
汽車のスピードが少しずつ落ちてきていた……
「俺が降りる駅?」
「そっ」
祐希は立ち上がると、つないでいた手を引っ張り上げ俺を立たせる。
「なんだよ?どうして降りるんだよ?どこなんだ?祐希は降りないのか?」
祐希は質問には答えず、力強く俺をひいて歩く。
「おい?祐希?」
前を歩く祐希の後ろ髪が揺れる……
汽車は駅に着き、プシューとドアが開いた。
俺は開いたドアから駅のホームに降ろされる。
「ここ……どこだよ?」
汽車から降りない祐希に訊ねる。
「今だよ」
「は?」
祐希は微笑む……
「好きだったよ……アンタが…」
「は?」
唖然とする俺に祐希は笑う。
「アハハハ!ハトが豆鉄砲くらったような顔してら~」
「あ、当たり前だろ!!なんだよ!?このタイミングで告白するかよ?」
「告白?違うよ……」
「へ?」
祐希は左右に首を振る……
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