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この集落には昔から神々の言い伝えがある。
そして、忌むべき生け贄の習慣が残る場所でもあった。贄は未婚の若い少女。
そんな風習をなくすことが出来ない背景に"禍"が確かに起こると言うことだった。
土地が貧しいこの地域では稲作や畑だけで身を繋ぐことはとても難しい。
生け贄を"悪し神"の求めに応じず差し出さない時には、決まって家畜が殺され、山からの作物や獲物が姿を消した。
それが"悪し神"のせいであるのか、確証はないが、少なくともその集落の人々は信じていた。信じざるを得ないほどの体験をしたのだ。
そして、ここしばらくなかった生け贄の要請が、集落に届いた。
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