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"もういいですよ"
言われて目を開けると、光によって見えなかった九尾のお狐様、玉藻前の姿が見えた。
「っ…!?」
まるで鏡に姿を映しているかのように、玉藻前は空狐の生き写しだった。
しかし、そこには空狐にはまだ早い色気や妖艶な美しさがあり、白銀の髪は美しく艶やかだった。
が、その瞳は空狐とは異なり黄金色に輝いていて、空狐は玉藻前に見惚れた。
勿論、空狐の初々しさや明るさも十分可愛らしく魅力的だ。
"では、空狐。
私は行きます。
くれぐれも、あの子のことを、頼みましたよ"
その言葉を最後に光は収束し、そこはいつもと何ら変わらぬ神殿の風景に戻っていた。
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