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「みっちー!」
振り返ればやっぱりアホそうな顔したアイツが待っていて。午後の授業の予習なんてどうでもよくなってしまう。
その鈍感な笑顔にやられてしまった俺も相当なアホなんだろうけど。
授業もバイト先も同じで気がついたらそばにいるのが当たり前になってしまっていた。
3つ上のサークルのかっこいい先輩の話とか、バイトで田部さんがやらかした事件とかくだらない話をして、1人で笑っててそんなれなさんに俺も笑ってて。
彼氏とか興味なさそうで俺好みのふわふわした可愛い女の子でもないのに。
気がついたられなさんを独り占めしたいだなんて考えてしまっている自分がいて。
周りの友達から、仲いいね。付き合っちゃえば?なんて言われて照れ笑いしてるれなさんも同じ気持ちだって勝手に思ってたから。
いつか言える日がきたらいいなー。なんて思ってたのに。
気がついたられなさんは手の届かない存在になっていた。
「みっちー!もうなにしてんのー。」
「はははは」
「いっつもぼーっとして。はははって言ってればいいと思ってんでしょ。」
ぼーっとしてたら先輩に先越されてた。
そういう訳じゃないのに。
こうやってははは。って。自分の気持ちにも笑うことしかできなくて。
なにもかも。曖昧に過ごしてきて。
嘘つくことしかできないんだ。
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