親友だから

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「ねえ。映画見に行かない?」 「ふたりで?」 彼氏にバレたらやばいだろ。って思いながらもちょっといや、大分喜んでる自分もいたりして。 嬉しそうに、この俳優さんかっこいんだよなー。なんてパンフレット持ってにこにこしてるれなさんの誘いなんて断れなくて。 彼氏誘えば?ってちょっとだけ背中を押したら。あの人は興味ないよこんなの、 みっちーしかいないの。 なんて言われて一緒にいかないやつなんていないと思う。たぶん。 結局一緒に見に行ったアクション映画はれなさんの好きな男性アイドルが出てて終始楽しそうにしてたれなさんを見て俺も楽しかった。 「彼氏ときたらさ、嫉妬しちゃうんだよねー。アイドルに。」 ばかだよねって。目を細めてでも照れた言い方で。遠くを見てたれなさんに、 "俺だって嫉妬したよ?そのアイドルにも先輩にも。" なんてさっきの映画の主人公みたいにかっこいいこと絶対言えない。また曖昧に、はははって返すだけ。 「お腹すかない?」 「さっきめっちゃポップコーン食べたじゃん。」 「あれじゃ足りないー」 「はっ!お前俺のぶんまで食べてたじゃん!」 「うるっさいなー!みっちーが残してたからもったいないと思ったのー!」 帰り道。そんなにお腹のすかない俺とお腹すいたれなさんと。立ち寄った先はやっぱりここで。 「いらっしゃいませ。あーみちれぴいい!」 俺達のバイト先。とあるカフェ。
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