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「お疲れ様ー。」
たぶのおかけでなんとか23時前には終わって。今度なんかおごれよー。とか言われて軽口をたたきながら歩く帰り道。
たぶは自転車を押して。俺は原付を押して。少しだけ同じ帰り道をできるだけゆっくり。ゆっくり進んでいく。
特に面白い話をするわけでもなく。ただただ歩く。
少し空いた距離には昼間の暑さとは比べられないほど冷たい風が通り抜けていく。
横のキレイな顔を見たら真っ直ぐ前だけみてて。俺も前を向いた。
「あれ。はるなじゃん。」
後ろから声を掛けられて振り返るたぶとほぼ同時に振り返る。
そこにはたぶと同じくらいの女子がいて。ああー久しぶりー。なんてわちゃわちゃ騒いでて。先に帰ったほうがいいのかなー。とか思って原付に手をかけた時。
今日ねー。この人のせいで遅くなったの。
この人というのは紛れもなく俺で。指までさされてるから間違いないらしい。
「はっ!?ちげえし!うるせえし!」
「いや、たつやさんのせい!」
「お前もぼーっとしてたろ!」
たつやさんのせい、ちがう。
このやりとりを軽く10回はしたんじゃないかというあたりでたぶの手を抑えこんで。やめろよー。って声にもうるせえ。って答えて。
たぶの友達を見ると案の定ぽかんとしてて。しばらく会話して帰ってった。
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