1. 恋を忘れた女。

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遠い記憶の箱の中に大切に閉じ込めた、高校時代のキラキラした恋。 あれから10年経って、その間も何度か恋をしたけれど、 どれもなんだかパッとしなくて。 段々、恋愛するのも面倒になっちゃってた私に、 もう一度、心を揺さぶらせてくれたのは……。 ******** 「ねー、聞いた?!ひかり~」 「…何を~?」 待ち合わせていたカフェで席に着くなり、嬉しげにニコニコしながら聞いてきたのは、大学時代の友達、菜央だ。 社会人になって何年か経つ今も、月イチ位は会っている。 「だからー、あの話よ。この間会った時に言ってたじゃん? ミ・サ・キ!」 「あぁ~、アレね。何、決まったの?」 美咲も大学時代の友達で、菜央を含む仲間と会った時に、ある話で盛り上がっていた。 この歳で、女子が集まって盛り上がるといえば、もうコレしかない。 「遂に、結婚だって~!!」
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