3. 嵐のような夜

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「こ、…有田さん。お、遅いって…。」 待ってたってこと? なんで? 頭に疑問符を浮かべてるのが見てとれたのか、昂くんは、ふー、と息を吐いてこっちに近寄ってきた。 「高梨の手品始まって15分は経ってるぞ。少しくらい見てやれよ。結構すごいのな、あいつ。」 フッ、と笑って私を先に行かせようと背中を軽く押してくる。 …なんだ、それか。 わざわざ待ってたくらいだから、何か話があるのかなって考えが頭をよぎってしまって。 ムダに緊張しちゃったな、なんて思っていたら。 「社会人になっても、同じなんだな。」 「え?」 「姐御肌。相変わらず年下キラーなんだな、と思って。」 クスクス笑うので、足を止める。 「キラーって…。そんなことないよ。」 何の話かと思えばさっきの。 「いいや?ひか…じゃなかった、桃瀬、高校の頃、一年の男子から人気あったもん。」
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