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その後の彼らの会話は聞かないように、別の話題で私は他の同僚と盛り上がった。
怖いもの見たさと同じで、
気にはなったけれど。
また胸が痛むかもしれない事の方が、怖かった。
そして、歓迎会はお開きになり、
二次会組と、帰る組に別れる。
元々は、二次会に行くつもりだったけど。
昂くんが行くなら、今夜は平静でいる自信がない。
だから、先に帰ることにした。
すると、ツン、と袖を引っ張られみんなには聞こえないようにコソっと、高梨が耳打ちしてくる。
「なんで帰んの?約束したじゃん。」
…あ。そうだった。
歓迎会が始まる前。
高梨と約束、してたんだ。
でもなぁ…。
こんな気分じゃ、飲み足りないから、飲みには行きたい。
「…ごめん、二次会はパス。」
あは、と無理に微笑んでみせる。
「私、しばらくいつもの店で飲んでるから。来れたら来なよ。」
高梨は、一瞬、はぁ?と眉間にシワを寄せていたけど、
「分かった。適当に二次会抜けて行くから、待ってて。」
そう答えて、みんなの所に戻って行った。
お疲れ様でした、とみんなに挨拶をして、私はいつもの店に向かうため帰路へ。
さっきは全然酔えなかった。
飲もう。
飲んで、このモヤモヤを忘れよう!
心に決めて、店へと急いだ。
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