3. 嵐のような夜

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いつもの店で飲み始めて、1時間が経つ頃。 携帯の着信が鳴り響く。 高梨だ。 「はぁい。」 『…何、マヌケな声出してんの?』 1人で中ジョッキ二杯を飲んだ後なので、妙にハイになっていたらしい。 『今から行くから、30分位で着くから。分かった?』 「はいはーい。待ってるって!」 上機嫌に返事をして、電話を切った。 あいつ、一応幹事なのによく抜けれたな、なんて思いながら。 サラダを口に含み、三杯目のビールを飲み終わる頃、店の扉が開いて高梨が入ってきたのが見えた。 こっち、と手招きして高梨を呼ぶ。 急いで来てくれたのか、どことなく呼吸が乱れている。 「お疲れ。大丈夫?息切れてない?」 言いながら、生でいい?と確認し、店員さんに高梨の分と、自分の分も注文する。 スーツの上着を脱ぎながら、 高梨は、だって、と続ける。 「なーんか、ひかりさん、今日おかしいから。オレが行くまでホントに待っててくれるかなぁ、と思ったら勝手に早足になっちゃったよ。」 席について、はー、とうなだれる。 すぐ生ビールが届き、乾杯をすると、すかさず聞かれた。 「それ、何杯目?」 「…4杯目かな?」 「ペース早くない?」 「気のせいじゃなーい?」 ニッコリして答えると、それ以上聞いてもムダと悟ったのか、 高梨はため息をついてゴクゴクとビールを喉に流し込んで行く。
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