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「なによー、高梨!なんであんたがこんなとこいんのー?」
私の隠れ家に職場の空気を持ち込むな!
…と自分勝手な理屈をつけて、なんとなく睨んでしまった。
ごめん、高梨。
「えぇ~?!そんな、冷たくないですか?!
オレ、家この近所なんですよー。で、たまたま入ってみただけで…」
「ふ~ん。そーいや家近いみたいな話してたね。」
「そーっすよ!そん時にも、飲みに行きましょーよって誘ったら、超冷たく『嫌。』とか言われたし~」
「ハハハ、そーだっけ。ごめんごめん。」
そう。私はなるべくコイツとは仕事以外で関わらないようにしていた。
パートナーという関係上、どうしても話はする機会が多い。
が、コイツの人気のせいで女子社員の妬み、やっかみを浴びるのは勘弁してほしかった。
なんっにもない上、私はコイツに興味もない。
面倒には巻き込まれたくなかった。
「桃瀬さんは、ココよく来るんですか?」
「ん~、たまにね。」
ちょっとウソ。
たまに、ではなく、わりと頻繁。
高梨が通い始めたら私の隠れ家をまた探さなきゃいけなくなるのがイヤで予防線を張った。
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