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なのに。
高梨に偶然出くわした日から3日後。
仕事終わりに一杯だけ、と思ってお店の扉を開けたら。
小一時間程前に、「お疲れっした~!」と言って別れたこの男。
「あ、お疲れ様でーす!先に頂いちゃいましたが~。」
二カッと笑って、ビールジョッキ片手に、コッチコッチ、と誘う手振りをする高梨。
なんでいるわけ!?ココに!
…と、思いっきり顔をしかめてしまったけれど、
無視するのも不自然。
なので仕方なく、
「…おつかれ。」
と言って、高梨が座っていたカウンター席の隣に腰を下ろす。
この前と同じように、一緒に飲む流れになってしまった。
職場の話を交えながら
ビールを一杯、飲み終わる頃。
「そーいえば、前からちょっと思ってたんですけど…桃瀬さんて、オレのことキライですか?」
しれっとそんなことを聞いてきたのに驚いて、
…へ?!
と、ちょっと固まりかけた。
「…意外と直球投げてくんのね、あんた。」
や、ホントに意外だった。
人当たりが良くて、誰とでもすぐ打ち解けるけど、
不用意に人の領域に踏み込んだりはしない、
要領のいいヤツ。
そう思ってたから、
こんな地雷踏むような質問をわざわざ投げかけてくると思わなかった。
「そうですか?…ていうか、やっぱりキライなんすか?」
目をパチクリさせながら、なお聞いてくる。
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