10.

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   肩で息をしながら、回りを見渡して神谷さんを探した。 気持ちを落ち着けるように、大きく呼吸を繰り返して、震える指先に力を入れる。 神谷さんに会ったら、何を言おう。 先ずはお祝いを。 それから…… 「麻美っ!」 声がする方に振り向いた。 逆光でその顔が見えない。 「神谷さん」 両手を広げてわたしを待つ、その人の胸に飛び込んだ。
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