12946人が本棚に入れています
本棚に追加
甘い溜め息がど、ちらのものかわからないように、交じりあって溶けていく。
何度も切ない声をあげながら、神谷さんに抱き締められて。
そのあとの記憶は、曖昧にぼやけていった。
結局、今日も何も決められなかったな。
神谷さんは、わたしと式を挙げるつもりがあるのだろうか。
「玲人さん」
少し寂しくなって、呼びかけてみたけれど、返事はなくて。
疲れて、寝ちゃった?
その顔を覗き込むと長い睫毛は伏せられていた。
やっぱり、疲れてたんだ。
まだ時間はあるし、今度ゆっくり決めればいいよね。
そう言い聞かせると、大好きな人の腕の中で、
幸せな夢の続きが見れますようにと瞳を閉じた。
【END】
最初のコメントを投稿しよう!