3.秘密の片想い

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同居して早一週間。 神谷さんが言うように、この家でわたしがすることは何もなかった。 わたしが朝起きる頃には、神谷さんは身支度を整えて経済新聞を片手にコーヒーを飲んでいて。 ボサボサの頭のまま、挨拶をするのにも三日で慣れてしまったわたしは、女として終わっているのかもしれない。 夕飯はいつも一人。 作るのも面倒で(作れないけど)コンビニ弁当で済ませている。 夕食に限らず、三食ともコンビニでお世話になっていると、真美子さんの多国籍料理?の味が懐かしくなってくるから不思議。 一人きりのダイニングで手を合わせて、コンビニ弁当を開けたけど。 やっぱり箸が進まない。 だいたい、あんなに寂しいなんて言っていたくせに、一度も実家から連絡が無いのはどうしてだろう。 まさか、別のホストに嵌ってないよね?
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