残照

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 カラン、カラン--。  持っていたコーラの缶が、悠人の手から滑り落ちた。  色づいた炭酸がアスファルトに広がる。  白いスニーカーの上にも飛び散った。  美咲の柔らかくあたたかい唇の感触。  それが、悠人の唇からゆっくりと離れていく。  彼女の微かな吐息が、悠人の唇に掛かった。  二人は至近距離で目を見合わせる。
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