赤と白

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ワタシハイマユメノナカ 走っている。 林の中 なぜ走っているのか解らない。ただ走らなければならない。 足が痛い。 どのくらい走ったのだろうか。 汚れた白いワンピースに手入れのされていない髪 足枷のついた裸足のそれに、血が滲む。 まだ、立ち止まってはならない。 ふと思う。 ワタシハダレ? 走っている意味が解らない。 痛いのに走らないといけないの? そのとき、木の根に躓いてころんでしまった。 意識が遠退いていく。 「捕まえろ」「誰かー」 「人殺しが」「裏切りものめ」 「はっははバカだ」 何? 誰? やめて うるさい 「やくたたず」「ゴミめ」 「罪を償え」「あそこに隠れてるわ」 いやだ…。 頭がいたくなる だんだん声が大きくなり、正気ではいられなくなる。 誰かの声…。 私に言ってるの? 「キャー!」 私はふらつきながら 立ち上がる。
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