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「な、なあ…綾瀬…どうしてこんなこと」
床に散らばっ教科書を眺めながら、クラスメイトの田中くんが震えた声で言った。
教科書は無惨に切り裂かれている。
そんな田中くんを見て綾瀬くんはほくそ笑んだ。
「何でって…俺は昔されたことと同じことをお前らにしてるだけなんだけど」
綾瀬くんが一歩前に出た。
顔をズイッと田中くんに近付ける。
「何漏らしそうな顔してんの」
田中くんは恐怖で震えていたが、そんな彼を助ける人なんて誰もいない。
…怖いから。
「自分が俺をいじめたから」
綾瀬くんが田中くんの胸ぐらを掴んで立たせた。
「…今こんなことになってるんじゃないの?」
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