0章・別れの時

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そう言って祖母は外へ出て行った。 アクイラとフェラーは首を傾げ、祖母の帰りを待った。 なかなか祖母が帰って来ないので、フェラーはいつの間にかアクイラの膝の上で眠っていた。 アクイラはフェラーの頭を優しく撫でていた。 一方外では、祖母と若い男が何やら言い争っていた。 祖母は慌てた様子で若い男・ヘルメスに何か訴えている。 「どうしてあの子を連れて行こうとするの?」 「さっきから何度の言っているだろう。 もう時間がないんだ。 俺はアクイラを護るという使命を受けた。 アクイラを死なせる訳にはいかない」 「…………」 「あんたも知っているだろう? アクイラは破滅をもたらすハーデスの末裔(マツエイ)だ。 あの言い伝えは予言なんだ。 過去のことを記されているのではない。 これから起こる、未来のことが記されているのだ。 わかるだろう? この先のアクイラの未来がどのようなものか」
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