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そう言って祖母は外へ出て行った。
アクイラとフェラーは首を傾げ、祖母の帰りを待った。
なかなか祖母が帰って来ないので、フェラーはいつの間にかアクイラの膝の上で眠っていた。
アクイラはフェラーの頭を優しく撫でていた。
一方外では、祖母と若い男が何やら言い争っていた。
祖母は慌てた様子で若い男・ヘルメスに何か訴えている。
「どうしてあの子を連れて行こうとするの?」
「さっきから何度の言っているだろう。
もう時間がないんだ。
俺はアクイラを護るという使命を受けた。
アクイラを死なせる訳にはいかない」
「…………」
「あんたも知っているだろう?
アクイラは破滅をもたらすハーデスの末裔(マツエイ)だ。
あの言い伝えは予言なんだ。
過去のことを記されているのではない。
これから起こる、未来のことが記されているのだ。
わかるだろう?
この先のアクイラの未来がどのようなものか」
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