0章・別れの時

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「それを聞いて安心したよ、おばあちゃん」 祖母は血相を変えて振り返った。 家のドアの前にはアクイラが立っていた。 「ごめんね、おばあちゃん。 私本当は全て知ってた」 祖母の「え?」という声には答えず、アクイラは淡々と続ける。 「私があの言い伝えのハーデスだってことも、おばあちゃんが天命を受けていることも、そろそろ限界だということも………」 アクイラは一呼吸置き、 「私が使命を果たさせないためには逃げ続けるしかないことも。 全て知ってた。 だからさ、おばあちゃん。 私、行ってくるよ」 アクイラは駆けてヘルメスの傍に行った。
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