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ヘルメスは背を向け、祖母に何かを告げて去った。
その言葉は祖母の耳には届かなかった。
「なにか言って気がするけどいいか」
祖母は立ちあがり、家へ戻ろうとした時、
「『戻って来ないのではなく、戻って来れないのだ』ってさっきの人が言ってたよ」
ドアの隙間からフェラーが言った。
祖母はドアを開け、フェラーを優しく包み込んだ。
「ねぇ、おばあちゃん。
おねえちゃんはどこ?」
「アクイラはお出かけよ。
2人で帰って来るのを待ちましょう」
そう言って祖母は家の中へ入って行った。
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