緋の桜~清姫狂乱~

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 清姫は 「親の欲目ですわ」  と答え、緋色の打掛の袂で口元を隠しながらホホホと笑った。 「いやいや、欲目などではない。そなたが美しいという評判は江戸にまで広まっておる。実は上様からそなたのことを直々に訊ねられた」  仁左衛門のその言葉に周りの女中達が色めきだつ。 「上様が?」  驚きで目を見開き、清姫は仁左衛門に訊ね返す。  
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