緋の桜~清姫狂乱~

6/59
前へ
/131ページ
次へ
 箱の中には、眩い程の輝きを放つ精巧な造りの簪が幾つも並んでいた。 「こんな高価な物をわたくしに…上様はもしや…」  震える清姫に仁左衛門が頷く。 「上様はそなたを側室に、と仰せだ」  辺りが騒然とする。 「姫様!おめでとうございます。これ以上のご縁組がございましょうか!?これまでお育てした甲斐がありました」  乳母の藤岡が嬉しさで涙を流しながら清姫に言った。image=467547438.jpg
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加