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音をする方を振り返るとそこには私も親友の"中川 百合"の姿があった。
「百合?」
私がそんなことを言うと百合は、
「ご、ごめんね、真ちゃん、來未。聞くつもりはなかったんだけどね....ご、ごめんなさいっ」
百合は思いっきり頭を下げた。
百合は鈴木 真太郎のことを真ちゃんと呼ぶ。
それは、昔からだ。
そしてその瞬間、私は生まれて始めて涙がこぼれる音を聞いた気がした。
ーーポタッ
頭を下に下げているその床に雫の跡がつく。
乾いた廊下の床に染み込んで。
そして、私は思った。
ああ、この告白は絶対に断らなければならないんだな....と。
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