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瀕死のけがを負ったエイルトゥーナと専属契約を交わし、なんとか窮地を脱しいたマサユキだが彼女の負った傷が本当に跡形もなく治っているのかそれが不安だった。
だがそれを確認するにはどうやっても彼女の肌を見るしか方法はない。
「……トゥーナちょっといいか」
何時までも逃げているわけにはいかない。
そう決意しトゥーナが着替えている部屋の扉を開いた。
「あら手伝ってくれる気になったの?」
「……」
完全に無防備な状態のエイルトゥーナを見た瞬間、早くも決心が揺らいでしまうが、ここで回れ右して再び外に出るわけにはいかず、彼女の腹部へと視線を向ける。
その途中胸を隠す黒い布が見え思わず視線をそむけてしまいそうになったが何とかあの男に貫かれたお腹のあたりまで視線を下ろしていく。
腹部には傷は無く女性らしいしっかりとしたくびれがあるだけだった。
「トゥーナその、え~と……傷は、大丈夫、なのか?」
「大丈夫よ。貴方と契約したおかげでね」
「そうか……よかった」
そう言われ自然と体の力が抜けた。
安心したのと同時に自分の不甲斐なさを呪った。
もっと相手の動きを注意して見ていれば斧を叩き落とす事も出来たのではないか?
そうすればトゥーナは無傷で居たはずだ。
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