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「おっす…」
立野が戻ってきた。テンションがダダ下がりしているし、佐藤先生との交流に失敗したのだろう。
「おっす」
「おいおい、俺の様子を見てそれだけかよ。励ましてくれよ。慰めてくれよ」
む、馴れ馴れしいな。
「どうして僕が立野を励ますんだよ。佐藤先生にでも励ましてもらえばいいだろ」
「冷たいな…お前」
ふふ、世の中はそんなに甘くないのだ。
うわ、本気で落ち込んでる。もしかして佐藤先生に惚れたのか?さっき初めて会ったのに。これが一目惚れってやつか。
「悪かったって。僕も協力するから元気出せよ。な?」
「本当か!それでこそ親友だぜ!」
なんか冗談で言ってるのか本気なのか分からん奴だな。
…しまったな。なんで協力するなんて言ってしまったんだか。
「入学式が始まるぞー!自分の椅子に座れー!」
ん?体育の先生っぽい先生が大声で学生を座らせている。やっと始まるのか。やけに長く感じたな。
「立野。とりあえず話はここまでにしよう」
「だな」
ほどなくして入学式が始まった。
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