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…ん?あれ?どうやら入学式の途中で眠ってしまったようだ。ていうか始まったっけ?なんも覚えてない。
とりあえず状況を確かめ……ん?僕以外みんな寝てる。先生も含めて全員。誰かが催眠ガスでも撒いたのか?
「立野!起きろ!」
「むにゅ…バナナオレ…」
駄目だ。立野を力いっぱい揺すったが起きる気配がない。他に知っている奴は…上口か。中学からの知り合いは見かけないし仕方ない。
少しステージの方に歩くと上口を見つけた。例にもれず眠っている。
「上口!起きろ!」
「むー…」
駄目だ。ほっぺたを力いっぱい引っ張ったが起きる気配がない。他に知っている奴は…
「闇咲光君」
ん?背後で誰かが僕の名前を読んだ。初めて聞く声だな。
上口のほっぺから手を放して、声がした方を見る。そこには見覚えのない男が立っていた。黒い髪に黒い服。もてそうな容姿だが、特別に変わったところはない男だ。
「僕の名前は知っているようだけど、僕は君の名前を知らないね」
「話がある。ついてきてくれ」
無視か。なら僕も無視しよう。
「言っておくが、ついてこないと闇咲光君は後悔することになる」
ふーん……一応ついて行っとくか。
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