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男についていくとぼろい校舎にたどり着いた。古いせいかもしれないが、古いというよりもぼろいの方がしっくりくる校舎だ。ま、そんなことはどうでもいい。
このまま校舎に入るのかと思ったが、男は入り口の手前で立ち止まった。
「ここは『崩落棟』と呼ばれている。今にも崩落しそうなのが、そう呼ばれている理由だ」
崩落棟ね。一応覚えておくか。
「どうして僕をここへ連れてきたんですか?学校探検をしているわけじゃないですよね」
「『崩落棟』はZ組の者が使う校舎だ。君にはZ組の一員になってほしい」
Z組?そんなクラスなかったはずだけど。
僕はB組だった気がする。他には3つか4つクラスがあったはずだから、多くてもEくらいまでしかクラスはないはず。Zまであるというのは考えられないな。
「今のところZ組は9人いる。君が入ってくれれば10人で切りが良い。」
そんな理由で勧誘されたのか。
「冗談だ。君を勧誘した本当の理由はいくつかあるが、分かりやすいのを言えば体育館で一番に目覚めたことだ」
ふーん、やっぱり一番だったのか。ていうか、いまだに体育館で何が起こったのか分からん。
「詳しいことはクラスメイトになってくれないと話せない。君は頷いてくれるだけでいい。手続きはこちらでしよう」
まったく話についていけない。まあ、適当に聞き流しているせいでもあるが。
「で、どうする?」
「どうするって言われてもな。こんなこと急に言われても断るに決まっているだろ」
さて、来た意味がなくなるけれど体育館に戻るか。そろそろ誰か目覚めるだろう。
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