9人が本棚に入れています
本棚に追加
「よく言った少年!」
突然背後から声が聞こえたので見てみる。そこには眼鏡をかけた長身の男が僕を見下ろしていた。制服が新品じゃないから二年生か三年生だろう。
「誰ですか?」
「風紀委員長だ!Z組の連中は危険だ。こちらに来たまえ」
風紀委員長ね。長身なのを除けば特徴のない普通の人に見えるけどな。まあ、人は見かけによらないってことか。
「ん?どうした少年」
「体育館に戻るので大丈夫です」
Z組とか風紀委員とかあまり関わりたくない。僕は平凡な高校生活を送りたいだけだし。
「…まあいい。Z組にさえ入らなければ何も文句はないからな。ここは任せて行きたまえ」
まったく。初日から意味が分からないな。
「また風紀委員か。邪魔をしないでほしいものだね」
「はは!Z組が悪事を働くときは必ず現れる。それが風紀委員だ!」
後ろから何か聞こえるが、面倒だからさっさと体育館に戻ることにした。
「ん?」
なんか小学生の女の子が遠くを歩いていた気がする。いや、こんなところに小学生がいるわけないか。気のせいだろう。
最初のコメントを投稿しよう!