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今日は簡単に掃除をすることにして、ささっと終わらせた。
さて、時間がちょうどいい感じだし学校へ行こうかな。これなら遅刻することもなさそうだ。
花織が帰ってきていないけれど…仕方ない。朝食は自分で作ってもらおう。
そういうわけで再び制服に着替えて鞄を持った。
「よし、行くか」
戸締りをする必要はないだろう。物が少ないっていうのもあるけれど、このアパートに近づくようなもの好きがいるとは思えない。なんたって市塙町の住人のほとんどから恐れられているし。それに花織が鍵を持って行っていない。
「行ってきます」
誰もいないけれど何故か毎回言ってしまう。どうでもいいや、さっさと行こう。
このアパートから市塙高校へは少し遠い。市塙高校というのは言うまでもなく通うことになった学校の名前だけれど、何故かこの町の中心あたりに建っているのだ。それは近くにある山を登って高いところから見てみればよくわかる。
この町の地形を簡単にまとめると、市塙高校の周りに色々な建物が建っていて、その周りに山やら変な建物がぽつぽつと建っている感じ。アパートはその変な建物に含まれている。
まあ、小さな町だから三十分ほどで着くし、そこまで困らないけど。ついでに買い物をして帰ることができるから、これまで通っていた中学校よりも楽なくらいかもしれない。
中学校はアパートから二つ隣の山の中腹あたりに建っていて、坂を上り下りする上に買い物が面倒だった。
えっと、いろいろ考えているうちに着くかな?あ、全然まだだった。
うーん、この歩いている時間が暇だな。何か対策を考える必要がありそうだ。
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