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建物が増えてきた。それなりに学校へ近くなってきたようだ。そろそろ見えてきてもおかしくないかな。
ちらほら市塙高校の制服を着ている人が歩いているから、時間的にもちょうどいいくらいだろう。
うーん…知っている人はいないね。小さな町だし知っている同級生がいてもおかしくないはずだけど、僕の記憶にない知らない人ばかりだ。高校だし市塙町以外からも来ているのかもしれない。
お、そんなことを考えていると市塙高校が少しだけ見えてきた。学生の人数もすごく増えてきたし知っている人がいるかな?
「そこの君!」
ん?声がした方を見てみる。
「野球部に入らない?今ならすぐにレギュラーだよ」
部活の勧誘ね。部活動をしている二三年生が校門に集まっているから学生が増えたのか。
「すみません」
「そっか、気が向いたら見学だけでも来てよ」
野球部の人たちが他の人に話しかけに行った。部活か……どうしようかな。野球はちょっと無理だけど、のんびりできる部活なら入ってもいいかも。
「君!」
うわ、また来た。遅刻はしないだろうけど遅くなりそうだな。早めに家を出て良かったよ。
「おはようございます」
「お、おはよう。麻雀部に入らない?」
麻雀か…悪くないね。
「考えておきます」
とりあえず保留で。
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