2013.3

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水 ☆☆☆☆☆☆☆ 水は人間にとって、とても大切な資源だ。砂漠地帯ではなおのこと。 十分に節約して、いつもしっかりと気をつけて使うように こちらに来る前から、クドイぐらいに言い含められてきた。 ☆☆☆☆☆☆☆ この辺りでは夏には雨がほとんど降らない。通り雨どころか天気雨ぐらいなもので、 連れ合いは日本に来るまで「傘」という物を持ったことが無かったらしい。 冬には少し降る時もあるが、足掛け2日ぐらいしっかりと降った時など 「昨日と今日で一年分の雨が降ったよねー!」なんて笑い話にするぐらい滅多に降らない。 そんな場所柄、水道水は蛇口をひねったらいつも水が出る日本とは違い 週に一日か二日、決まった日にしか水が来ないのだ。それもほとんど夜の間だけ。 だからどこの家にも屋上には水タンクがあって、水が来た時にそこへ一気に水を貯め、 まだ余裕があれば植栽には水をやり、人も植物もそれを一週間大事に使うのだ。 盛夏の頃などは更に、水がまったく来ない週もある。1週来ないとセーブモードで使い出すが 2週続けて来ない時は、さすがに貯め置いた水も底をつく。 そんな時は、小型のタンクローリー1台分のお水を買う。 うちに水が来ていないって事は、近所にも来ていないって事なので、 来ない来ないと焦るタイミングは、大体どこもおなじ。 近所にタンクローリーを見かけたら、すかさず捕まえて「次はうちに来てね」と言うのだ。 そして日本の水のように、蛇口からコップに注ぎ、そのまま飲めるような水ではないので この水に慣れない人がそのまま飲んだら、大抵はお腹を下してしまいます。 不純物も多く含まれるので、水道水で紅茶を淹れると、色は暗く香りも悪くアクだらけ。 とてもじゃないが飲めたものではないので、飲料用には濾過をしてから使います。 飲むにしろ使うにしろ、ここでは水にかなりの不便を感じたりするけれど、 でも、こんな環境だからこそ、水を大切に使い、水の有り難さをヒシヒシ感じたりも出来る。 水タンクの残量を気にしないで、シャワーをザーっと浴びて、ザブンと湯船に浸かれる 日本の水環境に思いを馳せながら。
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