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…それもそのはず。何で食べても減らないかって、それはわんこそば状態だったから。
食べるソバから、キラキラ輝くようなお母さんの笑顔(連れ合いの顔と瓜二つ)と共に、
ご飯がどんどん追加されていた。
あまりに何度も盛られるので、さすがにもう十分、十分っとばかりに自分のお皿に向けて
手をフリフリっと振りながら、こちらも負けじとキラっキラの笑顔で
覚えたてのアラビア語を駆使し「ラー ラー シュクラン!」(No,no thank you!と言う感じ)
とは言ってみたものの、お母さんたらちーっとも聞いちゃくれない。
更にご飯を追加しつつ、ピコッと片眉を持ち上げ、ニヤリと笑うお母さんの顔はまるで
「どおー?美味しいでしょー。遠慮しないでもっと食べなさ~い」と言っているかのようだ。
そんな攻防を尻目に、家族との再会にエキサイトしつつ、大音量でベラベラ話しながら、
猛烈な勢いでモリモリ食べていた連れ合いが、随分経ってからやーっと私の状況に気付き
「いらない いわない ずとゴハンおわらないよー」
(もういらないって言わないと、いつまでもご飯終われないよ)
とニヤニヤしながら、お母さんの方にくぃっと顎をしゃくった。
…そういう事は 早く言ってくれないかい。
そしてもういっぱいいっぱいって事をだね、どうか母上に、君の口から伝えておくれよ…。
私のアラビア語は「はい」「いいえ」「ありがとう」ぐらいしか思いつかないのだからサ。
それにしても「お母さん」って人種の、ご飯どきの行動は、きっと世界中どこの国でも
大差ないんだろうなー…っと思った初ご飯のひと時だった。
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