召喚

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 Y氏は趣味で魔術の研究をしていた。特に、彼が興味をもった分野は『召喚術』であった。 「つまり、これが、こうなって、こうなるのか」  古本市で見つけた怪しげな本。Y氏はその本の文面を解読することに成功していた。そして、その本には悪魔を召喚する術が記されていた。彼は、その召喚術に魅入られた。まるで、悪魔にでも取り憑かれたかのように。  本に記された悪魔を召喚する術。一昔前なら容易に実行できる内容ではなかった。しかし、現代なら不可能ではなかった。物流が豊富になり大抵の品は簡単に入手できた。  本に記されたモノを揃え、内容に従って、悪魔を呼び出す準備を着々と進めるY氏。彼は正気ではなかった。目は血走り、息も荒々しい。友人達も、彼の異変に気付いて、なんとかやめさせようとしたが手に負えなかった。彼を止めようとするのならば、友人達の身に良からぬ事が次々と起こった。まるで、何者かがY氏の邪魔をさせないようにしているかのようだ。
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