始まりは冷たいコンクリート

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なんでそうなったかきっと誰にもわからない。 ただ、驚くぐらいに近付いたお互いの距離だとか、俺の手から煙草を取ろうとした手が触れたとか 多分、理由なんて後付けで 「………あ」 目を閉じる間もなく重なった唇からは微かな珈琲の香り 「ん、……ん、…」 すぐにスルリと入り込んで来た舌は苦いのに 「あ………っ」 息苦しいぐらいに絡みつく柔らかさにもう考えるなんて無駄な気がして 「…ふ、っ…」 腕をまわしてもっと深いキスをねだりながら、まるで女にするみたいに優しく押し倒されたのは屋上のコンクリートの上 「は、っ……は、…」 その冷たさに現実に帰る前に 「あ、……」 入り込んだ長い指が素肌を滑る 「、………っ」 その指が撫でる場所からどんどん熱くなる身体に出口が欲しくて 「は、………ん、ん」 もっともっと、と自分から奪うキスをしかけて混ざり合う唾液を嚥下する度、麻薬のように麻痺する頭 「あ、………」 大きく広げられた足に当たるものの熱さにさえ肌が波打つように敏感で 「……っ、……は…っ」 自ら腰を浮かせて下着ごとズボンを引き下ろす手に協力した .
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