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「全くツイてない…」
オレは悪態をついた。
これがつかずにいられるかってんだ。
思えば朝から嫌なことばっかり。
ニュース番組のお姉さんは、オレの星座は今日運勢最悪だと笑顔で言った。
そしたら、バターを塗ったばっかりのトーストがバターが塗った面を下にして床にダイブ。
慌てて床を拭こうと手を伸ばせば、肘が机に当たってグラスが床にダイブ。
そして追い討ちをかけるようにこれだ。
「くそ…遅れちまう!」
オレは自転車をどんどん加速させる。
今度仕事に遅れたらクビにされるだろう。オレみたいな下っ端なんていくらでも代わりがいるんだ。
あと5分で間に合うか…
チラリと時計を見たのがまずかった。
まばたきした間に、オレの運命は決まった。目の前には大型トラックが迫っている。
「うわあぁぁ!!!!」
思わず大声をあげる。動揺してハンドルを大きくきると、上手い具合に歩道に回避できた。
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