11人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
はっとして目を開けると、オレは何故か真っ白な地面に座っていた。
周りを見回すと真っ白な空間だ。
これはもしかして臨死…いやそんなわけない。たかが噴水にダイブしたからって死んだりはしないだろう。
キョロキョロしていると、すぐそばの地面が波打った。
「うわ!」
なんだ?目の錯覚か?
いや確かに、波紋みたいなものはどんどん大きくなる。
中心からゴボッと音がした。
「…こんにちは、ようこそ」
「…」
オレは唖然として口をぽかんと開けた。
「こんにちは」
もう一度女は言う。
波紋の中心からいきなり女が現れたのだ。
水音がしたが、女は濡れている様子はない。教会で昔見たマリア様みたいな格好をしていた。
肩にかかった布が体の優美なラインを強調していた。
「オレ、死んだんですか?」
これはいよいよマズい気がする。
天使か、女神様かなのだろうか。
女神様はニコリと笑って首を振った。
最初のコメントを投稿しよう!