2人が本棚に入れています
本棚に追加
「何が嫌なんだよ?俺は筋トレしてるだけだぜ?」
「いや、だからそれが駄目なんですって!」
「だから、何が駄目なんだよ?」
「顔と声以外の全てです!」
顔と声はいいんかい!
そんな真っ赤になるなら、言わなくても良いじゃないか魔女さん。
まあ、それは置いといて、何が駄目なのか気になるな。
「魔王たるもの、来る日も来る日も筋トレとはどういうことですか!いざという時の事を考えて戦いに備えるのは別にいいですよ、壁に穴空けるくらいどうってことないですよ!」
「うん、ならいいんだろ。」
魔王はずっと腕立てをしながら、魔女と視線を合わせずにいた。
何というか、新手のシカトだね。
腕立て魔王に仁王立ち魔女。シュールだ。
「…話聞けっ!」
と、魔女は右手を前に出し、小さく「理解出来ない言語」を呟くと、突き出した右手からバスケットボールくらいの火の玉が出た。
火の玉は真っ直ぐに腕立て魔王に飛んでいく。
魔王は火の玉を見ようともせず、左に両手両足全身のバネを使い、跳ねて避ける。
「ったく、気が短いな、お前は。」
「悪魔ですから。」
最初のコメントを投稿しよう!