魔王城のとある一室

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「何が嫌なんだよ?俺は筋トレしてるだけだぜ?」 「いや、だからそれが駄目なんですって!」 「だから、何が駄目なんだよ?」 「顔と声以外の全てです!」 顔と声はいいんかい! そんな真っ赤になるなら、言わなくても良いじゃないか魔女さん。 まあ、それは置いといて、何が駄目なのか気になるな。 「魔王たるもの、来る日も来る日も筋トレとはどういうことですか!いざという時の事を考えて戦いに備えるのは別にいいですよ、壁に穴空けるくらいどうってことないですよ!」 「うん、ならいいんだろ。」 魔王はずっと腕立てをしながら、魔女と視線を合わせずにいた。 何というか、新手のシカトだね。 腕立て魔王に仁王立ち魔女。シュールだ。 「…話聞けっ!」 と、魔女は右手を前に出し、小さく「理解出来ない言語」を呟くと、突き出した右手からバスケットボールくらいの火の玉が出た。 火の玉は真っ直ぐに腕立て魔王に飛んでいく。 魔王は火の玉を見ようともせず、左に両手両足全身のバネを使い、跳ねて避ける。 「ったく、気が短いな、お前は。」 「悪魔ですから。」
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