わきやーく壱

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泣きそうに歪んだ顔 憎悪や嫌悪の視線の中に放り込まれた俺の友人は前のような笑顔を浮かべては居なかった クラスの皆もピリピリとして、あんなに楽しかった学園生活は俺にとってツマラナイものと化す 「誠太ーっ!!一緒に食堂いこうぜ!!」 「ちょ…やめ、」 「ほら、ぐずぐずすんなよ!!友達を待たせるなんて最低だぞ!!」 「ご、ごめ…」 俺こと 谷部・羽空(ヤベ・ワク) そして、たった今…日本語のようでそうでない言葉を吐きながら俺の友人 田口・誠太(タグチ・セイタ)を引きずるように連れていくモジャ そのモジャだ 俺の楽しい楽しい 学園生活を台無しにした奴 「……助けねぇの?」 「…仕方ないじゃん」 ある奴が言うには、これは王道ストーリーと言うやつらしい 王道転校生が来て 学園の人気者をホイホイと虜にしていく…そんな話し 確かに、ここは全寮制 生徒会や風紀委員は顔も良くカリスマ性もあるからか親衛隊というものもある これも奴の言うストーリーには欠かせないものらしい そして…それには続きがある 王道転校生に巻き込まれ被害にあう脇役の存在が…… それが田口と言う訳だ その脇役は周りから苛められ、とばっちりで親衛隊の制裁に合い その中で転校生の取り巻き達が徐々に、その脇役へと想いを寄せていくという結末へ 初めは苦しく 後にハッピーエンドが待ち受けるストーリーだと聞いた
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