わきやーく壱

3/14
5312人が本棚に入れています
本棚に追加
/238ページ
転校生はモジャ 気持ち悪い見た目 なのに生徒会や風紀といったカリスマ達はこぞってモジャにご執心のようだ 趣味が悪い そして気持ち悪いのは見た目だけでなく中身もバカバカしいモジャは奴が言うように何故か俺の友人を気に入り 美形どもに囲まれた中へと引きずり込んでいくんだ 普段は穏和な親衛隊達は転校生の影響で最近ピリピリしているせいか被害者である田口に制裁が向いている まぁ、それも転校生は生徒会などが守ってるから手出し出来なくて その矛先が 田口に向いてる訳だ そして俺は 田口と友達で居る限り…制裁に合うのは免れないらしく 奴は田口から離れた方が良いと言うんだ…… 「おい、谷部」 「……俺らも食堂いこっか」 俺は生徒会や風紀みたいに家柄も良くないし権力も持ってない だから何も出来ない 友人の松田と廊下を歩きながら自分の情けなさに苦笑をもらす 「松田は助けないの?一応、中学から一緒なんだろ?」 ヘラリと笑う だけど松田も解ってる 「…俺に何が出来んだよ」 ハッと鼻で笑う松田 だけど俺も知ってんだ 松田が田口の事を、どれだけ心配しているか…どれだけ優しくて心が強いかを 俺は知ってんだよ 「俺の答えも同じ。宇宙人の俺が何できるってーのよ」 そう だから離れるんだ 俺は優しくないから
/238ページ

最初のコメントを投稿しよう!